2011.05.27 >>> WaSabi-News #62

★環境

森林保護法・改正案の是非

森林保護法(Código Florestal)の改正案が24日、ブラジル下院議会において賛成410反対63で承認された。大土地所有者勢力による、森林保護を弱体化させる法改 悪だとブラジル国内で大きな議論を巻き起こしている。問題となっているのは、農家が保有する河川流域などの永久保護地区(APP)の保護義務が、 20~400ヘクタールの農家を対象になくなった部分。また永久保護地区の土地活用は、以前は国家環境審議会が承認した社会、公共利用もしくは大きな環境 破壊を引き起こさない計画のみであったのが、農業利用を許可し、また州政府にその決定が一任されることになるとする。尚、賛成派は、森林を保護しながら、 農村地域の農業を中心とした経済発展を進める法案だと主張。新森林法はその後上院で議論されることになるが、多くのブラジルの環境保護団体が上院への働き かけを強めている。ブラジル政府(与党PT)はこの法案に反対しており、上院で可決される場合は、ルセフ大統領が拒否権を発動することもありえる。

 

日本の面積分のアマゾン森林が消滅

環境省は20日、今までの20年間で33,3万km2のアマゾン森林が消滅したと発表。これはほぼ日本の面積(37,8万km2)に匹敵する。ブラジルに はいまだ100万km2以上の森林が残っており、世界中の薬品・化粧品の50%は、ブラジルの多様生物の10%によって生産されている。

 

2012年6月にリオで国連開発会議「Rio+20」が開催

来年6月4〜6日の3日間、リオで国連開発会議が開催されることが決定した。1992年にリオで開催された国連環境開発会議(=地球サミット、参加国 180ヵ国以上)から20年目にあたるため「Rio+20」とも呼ばれるが、持続可能な開発と貧困撲滅という目的は同じ。「地球の自然資源には終わりがあ る。貧しく生きるのではなく、より知的に生きることを我々は考えなければならない」と国連「Rio+20」担当の沙祖康はコメント。

 

★経済

ブラジル人は年間の149日を国家へ奉仕

ブラジル税計画院は、ブラジル人は年間の149日を連邦政府、州、市に払う税金のために働いているという調査結果を発表した。今年でいうと正月から5月 29日までにあたり、昨年に比べ1日増加。世界のトップは185日のスウェーデンで、次いでブラジルとフランスの149日、スペインの139日、USAの 102日。「公立学校や公立病院は問題ばかりで、インフラ設備も治安も足りないブラジルは、高額の税金にみあった社会福祉国家とは言えない」とブラジル税 計画院はコメント。

 

高速列車TAVの入札条件が修正される予定

ブラジル政府は4月に企業側の強い要望により、高速列車TAVの入札を再延期(7月11日締切、29日落札結果発表)したが、さらに条件面の修正を検討し ている。問題となっているのは開発技術の供与方法と計画路線の変更の可能性で、国家陸運局ANTTは近日にでも修正案を発表する予定。交通省の幹部による と、韓国、日本、フランス、ドイツの入札参加を見込んでいるという。

 

iTune Music Storeがブラジルにオープン予定

アップル社が提供する楽曲購入サービスiTune Music Storeが、ブラジルでも10月にオープンする予定。クレジット・カードではなく、市販のプリペイド・カードによるレアル決済が可能となる。

 

★2014年W杯

IBCはバーハ・ダ・チジューカ地区のリオセントロへ

国際サッカー連盟FIFAは27日、W杯ブラジル大会におけるIBC(International Broadcast Centre)はリオ市内バーハ・ダ・チジューカ地区のコンベンション・センター「リオセントロ」に設置することを発表。前回の南アフリカ大会では、70ヵ国から179の報道機関がIBCに集結した。

 


2011.05.19 >>> WaSabi-News #61

★経済

インフレ率、政府目標の6,5%を突破

2005年7月以来初めて、インフレ率が政府目標値6,5%を突破。ブラジル地理統計院の調べによる消費者物価指数IPCAは、アルコールやガソリン燃 料、交通料金の上昇にひっぱられ、4月までの1年間で6,51%を記録した。動揺した政府はインフレ率を抑えるために、石油公社ペトロブラスが販売するア ルコールとガソリンの価格を最低10センターボ下げることを発表したが、レギュラー・ガソリン価格は3,00レアル(約150円)まであがっており、国民 の不満はかなり高まっている。


続々と進出する日本企業

近年日本企業のブラジル進出の動きが活発化しているなか、2011年に入ってから大手企業がつぎつぎと進出を実現している。電気通信のKDDI、医薬品の エーザイ、住宅設備機器のTOTO、NEC、旭硝子、カメラのニコン、空調機器のダイキンなどがサンパウロを中心に現地法人を設立、ブラジル市場での事業 拡大を図る。昨年1年間で500社を超える日本企業がブラジル視察に訪れており、進出の動きは今後もつづくと見られている。

 

エイチ・アイ・エス、ブラジル1号店をオープン

格安チケットやツアーを提供する大手旅行会社エイチ・アイ・エスが4月29日、サンパウロにブラジル1号店をオープン。すでに海外87都市で事業展開しているが、今後さまざまなビッグ・イベントが目白押しのブラジルへ本格進出を図る。オフィスは日本総領事館や日系企業が多いアヴェニーダ・パウリスタのTOP CENTERショッピングセンター2階、日本語対応+土日祝日も営業。オープン記念に東京行き往復R$1,999〜。日本行きの格安チケットが今後増えることが期待される。

 

ホンダ、部品不足で従業員解雇へ

ブラジル・ホンダは18日、シビックやフィットを生産しているサンパウロ・スマレー工場の従業員400名(全従業員の12%に相当)を解雇した。東日本大 震災の影響で日本からの部品が不足しているためで、6月からは1日当たり600台から300台へ減らす予定。部品不足は年末まで続くだろうと同社幹部は見 ている。

 

再生可能エネルギーへの投資が急増中

環境破壊へつながる水力発電や原子力発電への風当たりが強まるなか、風力・バイオマス・太陽光といった再生可能エネルギーへの投資がブラジルで増えてい る。風力発電ブラジル協会によれば、セアラ−、リオ・グランヂ・ド・ノルチ、セルジッピ、バイーア、リオ・グランヂ・ド・スルといった沿岸部の各州で 2013年までに141のプロジェクトが予定され、投資額合計は250億レアル(約1,25兆円)にものぼる。今後2年間で、ブラジル全体の消費電力の 4,3%に相当する5.272メガワットの生産を目指している(現在は928メガワット)。

 

今月25日には、実業家エイキ・バチスタのグループ企業MPXが、ブラジル初の太陽光発電所をセアラー州で操業する。1.500世帯に相当する1メガワットを生産からスタートし、将来的に50メガワットの生産を見込む。

 

また、セアラー州フォルタレーザ近くのパセン港では、ラテンアメリカ初となる海の波を利用した発電のテストが進められている。水力発電所を持たないセア ラー州では、再生可能エネルギーの開発が積極的に進められており、外国企業の投資も多い。また、州政府の協力によって、水力発電を利用した14の公園が建 設されている。

 

★社会

同姓婚も「家族」扱いとなる権利を最高裁が認める

ブラジル最高裁判所が5日に同姓婚でも男女間の婚姻と同等の権利を認める判決を下したことを受けて、議論が高まっている。ブラジルには婚姻の他に、シビ ル・ユニオンというシステムがあり、同姓同士でもこのシステムを利用すれば「家族」となれるが、同姓同士で認められていた権利はこれまで認証されていな かった。この判決の結果、シビル・ユニオンの同姓婚パートナーも法律的には「家族」扱いとなる。これにより、同姓同士のカップルも、養子縁組、健康保険の 適応、相手の家族名への変更、財産の相続などが可能になった。2010年国勢調査によれば、現在ブラジルには6万人の同性愛カップルが存在するといわれ る。南米では、2007年にウルグアイが、2010年にはアルゼンチンが同性愛婚を合法化していた。ブラジルは世界最大規模のゲイパレードで有名で、同性 愛者の権利を求める運動は盛り上がりを見せているが、一方で同性愛者に対する差別や暴力も多く存在する。また世界最大のカトリック信者数を誇る国でもあ り、ブラジルカトリック教会は、この判決に対して反対を表明。そして、LGBT各組織はこの判決をうけて、同性婚の合法化に向けての運動を活発化させてい る。


リオ州の凶悪殺人率、17,7%減少へ

国民治安機関(ISP)は9日、2010年度のリオ州における凶悪殺人率は前年度に比べ17,7%減少したと発表。2010年度は4.767件で、 2009年の5.793件から大幅に減少した。10万人あたりで29,8人となり、調査を開始した1991年以降で最も低かった。

 

世界最高齢者に114歳のブラジル人女性

ギネス・ワールド・レコーズ社は18日、ブラジル南東部ミナスジェライス州に住む女性、マリア・バ レンチン(Maria Gomes Valentim)さん(114歳10カ月)を世界最高齢者に認定した。バレンチンさんは1896年7月9日生まれで、これまで最高齢だった北米の女性よ り48日早く生まれていたことが判明した。ギネスによればバレンチンさんは健康で、車椅子を使用しているが食事なども特別な介助は必要ないという。最低賃 金に値する545レアルを毎月受けとって生活しており、息子1人に、4人の孫、7人のひ孫がいる。

 

★2014年W杯

ブラジル代表の新しいトレーニング・センター建設の動き

ブラジル・サッカー協会(CBF)が進めるブラジル代表の新しいトレーニング・センター建設計画は、土地の所有をめぐる裁判沙汰となり宙に浮いたままに なっていたが、裁判所から元住民の立ち退き命令がでたことで進展する兆しをみせている。建設地はバーハ・ダ・チジューカ地区で、代表のトレーニング・セン ターの他、CBFのオフィス、サッカー・ミュージアムやホテルも建設される予定。ヒカルド・テイシェイラ会長は、2013年のコンフェデレーション杯まで に完成させると意気込んでいるが、当初の計画からすでに1年近く遅れているため早急な準備が必要とみられる。

既存の代表トレーニング・センターはリオ市から北へ約2時間の高地テレゾーポリス市にある。

 

エコに生まれ変わるマラカナン・スタジアム

最多7試合が開催されるリオのマラカナン・スタジアムは、新しいエコロジー・スタジアムとして生まれ変わるべく、改装が進められている(2012年12月 完成予定)。排ガスの削減、消費電力の削減、太陽光エネルギーの活用(シャワー)、雨水の再利用(芝生やトイレへの給水、浄水)、廃材のリサイクルなどが 新しい設計に組み込まれており、マラカナン・スタジアムが環境問題に配慮した今後の公共施設の先例になることが期待されている。

 

マノ・メネーゼス代表監督は4-3-1-2、もしくは4-3-3

9日にリオで開催されたサッカー・セミナーに参加したマノ・メネーゼス代表監督は、ブラジル代表は14年W杯では4-3-1-2、もしくは4-3-3で戦 うと表明した。セミナーに参加した過去4度のW杯優勝経験を持つザガロと、94年アメリカ大会でブラジルを優勝に導いたカルロス・アルベルト・ペレイラ元 監督の両者も、"4バックこそブラジル・サッカーのエッセンス"と絶賛。3者はバルセロナの試合ぶりやブラジル代表の10番になる選手の話などで盛り上 がった。

 

6月には2つの親善試合(オランダとルーマニア)と、7月にはいよいよコパ・アメリカが開催される。マノ・メネーゼス代表監督は19日、代表メンバー候補28選手のリストを発表したが、コパ・アメリカまでに22選手に絞る。

 


2011.05.04 >>> WaSabi-News #60

ブラジル地理統計院(IBGE)が、昨年ブラジル全国でおこなった国勢調査(Censo)の結果を順次発表している。ブラジルの国勢調査は2000年以来、10年ぶり。約20万人の調査員が5,565都市の6,750万世帯を訪問し、デジタル機器を利用し集計した。IBGEは連邦政府、計画省に帰属。

 

★ブラジルの人口(190,755,799人)

ブラジルの人口は、この10年間で12,3%の増加。また、初めて国勢調査が行われた1872年に比べると、約20倍に増加していることが分かった。

 

州都別の人口

1位:サンパウロ(11,253,503)

2位:リオデジャネイロ(6,320,446)

3位:サルヴァドール(2,675,656)

4位:ブラジリア(2,570,160)

5位:フォルタレーザ(2,452,185)

6位:ベロ・オリゾンチ(2,375,151)

 

人種

国勢調査がはじまって以来、初めて白人が少数派へ。白人と自己申告したひとは全体の47,73%で、2000年の53,74%から減少。

黒人(Pretos)、混血(Pardos)、黄色(Amarelos)、インディオ(Indigenas)の合計が、過半数を占める。

 

男女比

ブラジル人口全体の平均値で、100人の女性に対し、男性は96人。

もっとも女性が多い州はリオデジャネイロで、100人の女性に対し、男性は91,2人。

 

高齢化

65歳以上が占める割合は、1991年の4,8%→2000年の5,9%→2010年の7,4%と増加する一方で、25歳以下の占める割合は年々減少。

 

文盲率

2000年の13,64%から、9,6%(1,390万人)へわずかに減少。北東部、北部に占める割合が依然大きい。

 

下水道、上水道、電気の普及率

下水道は2000年の47,2%から、55,5%へ。

上水道は2000年の77,8%から、82,8%へ。

電気は2000年の94,5%から、98,7%へ。

 

所得格差

一人当たりの所得において、最低賃金で生活するブラジル人の割合は60,5%を占める。2000年の66,6%からわずかに減少。

北東部、北部に占める割合が依然大きい。

※最低賃金(サラリオ・ミニモ):2010年は510レアル、2011年3月から545レアル

 

ゲイ・カップル

初めて行われた同性愛に関する調査で、ブラジルには6万のゲイ・カップルがいることが判明。もっとも割合が高かったリオデジャネイロ州には、1万のゲイ・カップルが暮らしている。