2010.11.27 >>> WaSabi-News #44

11月21日より、リオデジャネイロでは、治安当局と麻薬組織の対立が激化している。テレビでは軍の戦車がファベーラに進入する様子、炎上する車両、銃撃戦の模様が生中継で放映され続け、新聞には「戦争」の文字が飛び交っている。

報道によれば、車両炎上事件は2週間ほど前から頻発するようになったが、21日より多発。車両炎上は、混乱の中心部隊となっているリオデジャネイロ北部だけでなく、コパカバーナ、イパネマ、ボタフォゴ、ラランジェイロス、バッハ・ダ・チジュッカ、またニテロイ市などでも発生している。

21日から26日夕方までに炎上した車両は99台。警察がファベーラ内で展開した作戦による死者は44人。その中には流れ弾に当たった住民、14歳の学生も含まれている。逮捕者192人。負傷者の数は新聞報道では「大勢」。正確な発表はない。負傷者の多くが運ばれているぺーニャ地区のジェトゥリオ・バルガス病院によれば、流れ弾に当たった住民も多く運び込まれている。

26日も車両炎上は続き、ファベーラ、ビラ・クルゼイロ、アレマンで警察と軍、合計800人、また戦車も投入しての鎮圧作戦が展開されている。その他のスラム街でも鎮圧作戦が行われ、リオデジャネイロ中が緊迫している。北部を中心に休校、焦点の閉鎖があいつぎ、ほとんどの職場が午後4時を目安に事務所を占めた。今週予定されていたビーチバレー大会は延期。名門カーニバルチームであるポルテイラとモシダージは週末の公開練習をキャンセル。現在アレマンを中心に、2つの犯罪組織員が終結しており、鎮圧作戦は週末も続く見通しだ。

リオのファベーラから犯罪組織を追い出す活動を続けているUPP(治安部隊)が設置されて以来、初めての大規模な組織的暴動で、両者引く気配はなし。UPPの設置により活動場所を制限された、リオ最大の2つの麻薬組織が同盟を結び抵抗している。北部ビセンチ・デ・カルバーリョ通りで炎上したバス付近では「UPPを継続するならW杯、五輪はない。」と書かれたメモが発見されている。

UPP(治安部隊)の設置については、長年放置されてきた治安問題だけに住民を中心に歓迎の声が多いのが事実だ。特に、治安回復がなされる際の目だった混乱が少なく、平和的に犯罪組織から治安警察への権力移行が行われており、住民の警察に対する信頼回復の面も重要視されてきた。しかし今回の作戦では少なくない住民が巻き込まれており、警察の昔ながらの鎮圧作戦の方法には批判の声も上がっている。リオデジャネイロ北部ファベーラ住民協会連合は、住民からの告発を取りまとめており、また逮捕者に比べて、死者数の比率の多さを批判している。

 

 

 


2010.11.12 >>> WaSabi-News #43

★政治
ルセフ次期大統領、G-20に参加
ソウルで開催されている主要20カ国・地域首脳会議(G-20サミット)に、ルラ大統領の招待で、ルセフ次期大統領も参加。
ルラ大統領は李明博韓国大統領と会談し、両国の貿易、投資などを今後5年間で倍増させるための協力を約束。韓国側は、2010年12月に入札予定の、ブラジルでの高速鉄道事業の韓国企業への受注を要請した。


ルラ大統領と共に、仏サルコジ大統領に挨拶するルセフ次期大統領

★経済
砂糖供給制限は今後3年続く・コザン社は純利益153%増
11月11日、ブラジル最大の砂糖・エタノール生産会社、コザン社(Cosan S.A.)社長、Marcos Lutzは、現在続いている世界的な砂糖供給の制限は今後3年続くとの見通しを発表。異常気象による収穫への影響は大きく、近年ブラジルは過剰な降水量に悩まされ、またブラジル中南部は干ばつに見舞われた。コザン社の2011年第2期の純利益は、4億3970万レアル。前年度同時期に比べ153%増である。

プレサル層に40のプラットフォームの必要性
深海油田プレサル層の石油採掘のために、一日に10万〜15万バレル生産可能なFPSOタイプのプラットフォームが40台必要だと、ペトロブラス社が11日に発表。そのうちの8台がトゥッピー(Tupi)鉱区に配置される。INAE主催で開催された「Manifesto Por Um Brasil Desenvolvido"」ナショナル・フォーラムでは、IBP社がペトロブラスに権限が集中していることを非難し、国内外の私営企業の参加を訴えた。

自動車生産急増
2009年1月から10月までのブラジルの自動車生産は、2009年同時期に比べて15,3%成長。ブラジル自動車工業会(ANFAVEA)の11月8日の発表によれば、10月は32万1814台の生産台数。9月に比べ5,5%で、2009年同時期に比べ1,5増。

★社会
全国最多投票数を獲得したコメディアン政治家、読み書きのテストに合格
全国最多の約130万票を獲得して、10月の連邦下院選で当選した、人気コメディアン、フランシスコ・オリベイラ、芸名「チリリカ」は、11日、サンパウロ選挙裁判所で読み書きの試験を受けた。これは非識字者は議員になれないとの憲法にのっとったもの。ルラ大統領は、この試験実施について批判していたが、「チリリカ」議員は無事試験を突破することができた。しかし正解率は30%以下であり、読み書きができるということを証明したものの、賞賛される結果ではないという。また試験の結果から、書くより読むほうが優れていると報道されている。

女性がリーダーシップをとる世帯増加
ブラジル地理統計院IBGE の発表によれば、01年から09年にかけて、女性が家長的存在である世帯は、27%から35%に増加。09年は合計2193万3180世帯で、女性がリーダーシップを取っていることになる。中でも注目されたのは、子どもあるなしにかかわらず、伴侶が同じ家に住んでいながらも、リーダーシップは女性にある世帯が多いことだ。ブラジル応用経済研究所によれば、伝統的には男性が占めていた立場を、女性が補っている傾向があるという。子どもがいる家庭で、女性が家長である世帯は、14,2%。調査によれば、子どものいない家庭で、女性は男性の平均80%の収入。子どもがいる家庭では73%で、女性が男性より収入が低いのに変化はない。また家事に携わる時間は女性は男性の約3倍。

★文化
ジルベルト・ジルとアドリアーナ・カルカニョットがラテン・グラミー賞で受賞
11日に、アメリカのラスベガスで行われた第11回ラテン・グラミー賞授賞式で、ジルベルト・ジルが2つの賞を受賞。ジルベルト・ジルのアルバム、「Banda Dois」は、ブラジルポピュラーミュージック・ベストアルバム賞、「Fé na festa」がブラジル・伝統ミュージックアルバム賞を受賞した。アドリアーナ・カルカニョットの楽曲「Tua」はベスト・ブラジリアン・ミュージックに決定した。


そのほかの主な受賞作品は以下:
今年のベスト録音:「Mientes」カミーラ
今年のベスト曲:「Mientes」Mario Domm &Monica Velez (カミーラ)
ベストアルバム賞:「A Son De Guerra」フアン・ルイス・ゲーラ
ベスト新人アーティスト: Alex Cuba
サルサ・ベストアルバム賞:「Irrepetible」Gilberto Santa Rosa
トロピカル・コンテンポラリー・ベストアルバム賞:「A son de guerra」フアン・ルイス・ゲーラ
トロピカル・トラディショナル・ベストアルバム賞:「El Ultimo Trago」ブイカ
ラテンジャズ・ベストアルバム賞:「Sambolero」João Donato Trio
ブラジル・コンテンポラリーポップ・ベスト・アルバム賞:「Bom Tempo」セルジオ・メンデス
ブラジル・ロック・ベスト・アルバム賞:「Camisa 10 joga bola até na chuva」Charlie Brown Jr
サンバ&パゴーヂ・ベスト・アルバム賞:「Tá Fazendo a minha Parte」ジオゴ・ノゲイラ
セルタネージャ・ベスト・アルバム賞:「Double Face」ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ
タンゴ・ベスト・アルバム賞:「De corazon a corazon mariachi tango」Aida Cuevas

為替情報 (11月12日)
ドル: 1,71レアル
レアル:48円
Ibovespa (サンパウロ証券取引所平均株価指数):70.414ポイント

 

 

 


2010.11.05 >>> WaSabi-News #42

★ブラジル大統領選2010

ジルマ・ルセフ次期大統領の公約
2011年1月1日から4年間、ブラジル大統領として国家を率いるジルマ・ルセフの公約は以下(具体的なものを抜粋)。

医療
●500の緊急病院を作る。8.600の病院を作る。
●500の緊急病院を作る。救急車の数を増やす。
●過去の診察歴を記録するSUSカードを作る。
●民間薬局の数を増やす。
●高血圧、糖尿病患者に薬を無料で配布する。
●病院の診察対応を迅速にする(長蛇の列を解消する)。
●妊婦、幼児に対する医療プログラムを改善する。
●アルコール依存者、ドラッグ依存者に対する医療プログラムを改善する。

社会
●2150万人の貧困層の生活を向上し、中流階級におしあげる。
●社会格差、不平等を減らす。
●ボルサ・ファミリア(家庭への生活補助)プログラムを子供なし家庭へも適応する。
●新らしい生活補助プログラムを創設する。
●人権の平等を推進するプログラムを拡大する。

教育
●教育分野への公共投資額を国内総生産の7%に増やす。
●文盲を根絶する。
●教育の質の向上を優先とする。
●6000の幼稚園を建設する。
●教育補助プログラムを創設する。
●教員は大卒者を採用し、見合った給料を支払う。
●学校に無料のブロードバンドの設置する。
●子供、青年を暴力やドラッグ、不法就労から守る。
●人口5万人以上の都市には技術専門学校を創設する。

生活インフラ
●住宅プログラム“私の家、私の人生"に2百万世帯分を追加する。
●土地の制度化、都市化を進める。
●11億レアルを投資し、排水施設、堤防を危険区域に設置する。
●34億レアルを投資し、水の供給施設、下水施設を設置する。
●貧困層の生活環境を改善、都市化する。

交通インフラ
●18億レアルを投資し、公共機関を改善する。
●リオのガレオン国際空港を拡張、改善する。
●3州に新たに空港を建設する。
●リオ〜サンパウロ間の高速列車を建設する。
●主要都市に地下鉄を開通する。
●主要国道を拡張、改善する。
●5州の港湾を近代化する。

治安
●2,883の警察駐在所を設置する。
●リオのUPP(治安維持部隊)モデルを進化させる。
●犯罪多発地域へのインフラ投資を進める。
●連邦警察の国境管理(銃、麻薬対策)、情報分野の強化。
●マネーロンダリングを専門とする犯罪組織を取り締まる。

雇用
●インフレ率を加算し最低賃金を調整する。
●1500万人の正規雇用をうむ環境条件を作る。
●組合との対話を維持する。
●劣悪な労働環境、子供の就労をなくす。
●労働市場での差別をなくす。

税金
●経済成長を阻害する諸税の税金率をゼロに減らす。
●バス交通、上下水道に関係する会社、電気エネルギー部門の税金率を減らす。
●会社の支払に発生する税金率を減らす。
●諸税支払のシンプル化、効率化を図る。
●州間の摩擦を解消する。

政治
●汚職と戦う。
●政治家と国家公務員の規定を見直す。
●経済成長促進プログラム(PAC-2)を実施する。
●公共と民間の協力を促進する。
●各州政府の透明化を図り、汚職をなくす。

金融
●インフレをコントロールする。
●為替の流動性を維持する。
●金利の減少に努める。

産業
●海運業を拡大する。
●5つの石油精製所を建設する。
●中小企業省を創設する。
●石油ロイヤリティの分配は産油州ごとに差別化する。
●深海油田プレサルの利益を社会に還元する。
●ペトロブラスとプレサルは民営化しない。
●国内の水力発電を増やす。
●クリーンエネルギー化を世界に率先する。
●エタノールを国家を代表するエネルギーとして促進する。

環境
●アマゾン地域の森林破壊を80%減らす。
●森林の再生化を促進する。
●温室効果ガスの排出を36〜39%減らす目標を2020年までに実現する。
●産業分野での環境規定を監視する。

農業
●農場への不法侵入を減らす。
●持続的発展を目的とした農地制度の見直しをする。
● 農業分野へのファイナンスを促進する。

その他
●中絶やホモセクシャルの結婚を合法化しない。
●教会との対話を維持する。
●ブラジル文化を海外にプロモーションする。
●メディアの検閲、コントロールを排除する。
●報道、表現、宗教の自由を保障する。
●アフリカとの外交に特に力を入れる。
●W杯、オリンピックへ向けたアスリート育成を強化する。

ジルマ・ルセフ次期大統領、「フォーブス」のランキング入り
米誌「フォーブス」の11月4日に発表された「2010世界で最も影響力のある人物」ランキングで、ブラジル初の女性大統領として当選したジルマ・ルセフ元官房長官が第16位に入った。現職でなく、当選した大統領がリストに登場するのは初めてのこと。前後には、アップル会長が17位、フランス大統領ニコラ・サルコジが19位で入った。また現職のルラ大統領は、2009年時に33位に入った。

ジルマ・ルセフ次期大統領、G-20へ参加
今月11,12日に韓国ソウルで開催予定のG-20に、ルラ大統領とともにジルマ・ルセフ次期大統領も特別招待で参加することが発表された。

為替情報 (11月5日)
ドル: 1,68レアル
レアル:48.40円
Ibovespa (サンパウロ証券取引所平均株価指数):72.596ポイント