2010.04.09 >>> WaSabi-News #21

★社会
リオの集中豪雨、死者182名に
今月5日夜からリオを襲った集中豪雨の被害はさらに拡大しており、現在までリオ州における死者数は182名にのぼっている。被害が甚大だったニテロイ市107名、リオ市55名に加え、サン・ゴンサロ、マジェー、ニローポリス、ポトロポリス他市でも土砂崩れによる死者が確認されている。

ニテロイ市クバンゴ地区にある〈モーホ・ド・ブンバ Morro do Bumba〉はゴミ山の上に作られたファヴェーラ(スラム)で、今回の集中豪雨で大規模な土砂崩れを起こし多くの住民と家屋が泥流に飲まれた。17の遺体が収容されたが、いまだ150名以上が行方不明となっており、降りしきる雨のなかで救助活動が続けられている。
〈モーホ・ド・ブンバ 〉の土壌となったゴミ山は1970〜86年に集積されており、2004年に行われたニテロイ市の調査で危険地域である報告がなされたが、当時(及び以降)の行政が具体的な改善策を打ちだすことはなかった。
8日午後にはニテロイ市中心の商店街で、武装したギャング集団が襲ってくるという偽情報が飛び交い、買い物客や通行人が恐怖によるパニックに陥るという事件が発生。噂を信じた多くの商店主はシャッターを下ろし店を閉め、市・州警察が駆けつけたが、最終的に1件の被害もなかった。

また、リオ市サンタ・テレーザ地区のファヴェーラ〈モーホ・ドス・プラゼーレス Morro dos Prazeres〉でも大きな土砂崩れがあり、18の遺体が収容されたが、いまだ14名が行方不明となっている。リオ市は二次災害を防ぐために調査隊を派遣し家屋の危険度を一軒一軒調べさせており、またエドゥアルド・パエス市長は、158の市内危険地域において行政の判断により強制的に住民を退避させることを可能とする緊急令を発令した。

ブラジル連邦政府は8日、2億レアルの緊急援助金をリオ州に供出すると発表。またルラ大統領は、国家プロジェクトPACの一環である住宅支援プロジェクト〈わたしの家、わたしの人生 MInha Casa, MInha Vida〉による建設住宅4千軒を、被災者及び危険地域の住民向けに適用すると発表した。約1500家族が住む〈モーホ・ドス・プラゼーレス〉とホシーニャの一部〈ラボリアウクス〉の約1000家族が対象予定となるが、具体的な移転先が決まっていない状況でファヴェーラ住民には不安が広がっている。

リオ市におけるファヴェーラ以外の被害では、市内各地で大規模な浸水が発生し、なかでもマラカナン地区のバンデイラ広場の被害が甚大。バンデイラ広場は過去にも度重なる水害にあっている区域で、2014年W杯ブラジル大会の決勝戦が行われるマラカナン・スタジアムに近く交通網の拠点にもなることから、リオ市は5つの貯水池の設置を検討している。

今回の集中豪雨は、5日に南部から到来した今年最大級の寒冷前線が要因のひとつを見られている。寒冷前線到達時にリオの気温は30℃あり、エルニーニョの影響で海水温も平均より約2℃高かったため、大量の水蒸気を誘発し雨雲を形成したと専門家は分析している。

★ 経済
新車販売台数過去最高記録
ブラジル自動車工業会によれば、3月の新車販売台数は35万3738台で、前年同月比30.3%増で。過去最高を記録した。2008年12月から何度も延長され続いていた
工業製品税(IPI)の減税措置が3月末で終了したのが影響している。
世界金融恐慌に対するブラジル経済の景気後退を抑えようとしたブラジル政府の措置で、2008年末より、自動車に対する 税金を一時的に減税。何度も措置を延長し、2010年3月末で終了した。そのため駆け込み需要が大幅に増加し、60日以上の納期遅延という車種もあるという。

★経済
工業分野労働者の雇用増加
IBEG(ブラジル地理統計院)の9日の発表によれば、2月の工業分野労働者の雇用が0,6%増加した。

★社会
ギャング抗争でビッシェイロの息子が殺害される
ビッシェイロ同士の争いで、標的とされた Rog�rio Andradeの息子(17歳)が巻き添えで殺害された。イタリアマフィアさながらの爆発劇が発生したのは、4月8 日の市街地、バッハ。事件発生時、爆破された車両は防弾装備が整っており、また5人の軍警官が広報車2台で警備していた。この事件発生によりリオデジャネイロのマフィア抗争が過激化する恐れがある。
ビッシェイロとはジョーゴ・ド・ビッショ(Jogo do Bicho)と呼ばれる違法賭博の組織者のことで、カーニバルチーム、、裁判所、警察、政治家、麻薬組織と密接に結びつき、様々な違法行為に着手している。

★社会
アマゾン、ベロモンチ水力発電ダムの建設をめぐる争い
ベロモンチ水力発電ダムの入札を20日に控えて混乱が最高潮にある。政府は建設予定を取り消す態度はないと発表し、ルラ大統領はダム建設がもたらす「雇用か失業か」の選択を住民に迫っている。また15のインディオの部族が最大規模のマニフェストを計画しているという。入札には新しい法律が適用され、参加企業はその対応に追われている。政府による参加企業名全ての公式発表は来週になる見込み。建設には190億レアルが見込まれている。

ベロモンチ水力発電ダムは、ブラジル政府がシングー川に建設計画しているダムで、完成すれば世界で三番目、ブラジルで一番大きいダムとなる。インディオであるシングー保護区の境界と隣接する10以上の先住民の村に影響を与えるといわれており、アマゾン熱帯林の広大なエリアを破壊すると指摘されている。「アバター」、「タイタニック」で知られるジェームズ・キャメロン監督が、ルラ大統領に建設を懸念する書簡を送るなど、反対運動が起こっている。熱帯雨林におけるダム反対をめぐっては、1989 年、アルタミラのダムに対して大きな反対運動あった。今回のベロモンチ水力発電ダムはこのアルタミラの比較的近くに建設される予定。

★為替情報
4月9日
レアル:52.8円
ドル: 1,775レアル
Ibovespa(サンパウロ証券取引所株価指数):71.944,45ポイント

 

 


2010.04.07 >>> Pick Up

リオで集中豪雨、現在までに死者103名

リオは44年間で最大規模の災害に見舞われ、州政府は6日夕方までに103名の死亡を確認したと発表。集中豪雨は5日夜から激しく降り始め、市内各地で大規模な浸水や停電、いくつかのファヴェーラで地滑りによる家屋崩壊を引きおこしている。6日につづき明日も休校となる予定で、エドゥアルド・パエス市長は市民に外出を控えるよう呼びかけている。

 

 


2010.04.02 >>> WaSabi-News #20

★政治
大統領選出馬候補による選挙キャンペーンが開幕
大統領選キャンペーンが正式にスタートする4月を前に、与党労働党(PT)から出馬するヂルマ・ロウセフと最大野党ブラジル民主社会党(PSDB)から出馬するジョセ・セーハ両名は、それぞれ官房長官とサンパウロ州知事を3月31日付で辞任した。
3月27日Datafolha発表による最新の支持率調査では、ジョゼ・セーハ(PSDB)が36%で首位をキープしており、ヂルマ・ロウセフ(PT) 27%、シロ・ゴメス(PSB)11%、マリーナ・シルヴァ(PV)8%と続いている。

★経済
ルーラ大統領、PAC-2を発表
退任まで9ヶ月を残したルーラ大統領は、2期目再選後の2007年に発表した国家プロジェクトPAC(経済成長加速プログラム)に続くPAC-2のプログラム内容を3月30日に発表した。PAC-2の総予算は1兆5900億ヘアル(約80兆円)で、2010〜2014年までに9589億ヘアル(以降に6316億ヘアル)を、エネルギー・交通部門を中心としたインフラ整備に投資する。
しかし、2007〜2010年のPAC総予算である約32兆円のうち、今年1月までに完成した公共事業は全体の40,3%(政府統計)。半分以上が未完という状態でPAC-2を発表したことに、プロジェクト自体の見直しを求める声や選挙キャンペーンの一環とみる声も多い。また、民間の調査機関Contas Abertasは、完成度は11%に過ぎないという統計を発表している。

★社会
プロヴィデンシアにもUPP
リオのセントロ地区にあるファヴェーラ:モーホ・ダ・プロヴィデンシアにおいて、特殊任務警察BOPEによるオペレーションが3月22日に行われ、ファヴェーラを支配する犯罪組織コマンド・ヴェルメーリョのメンバーは反撃することなく逃避した。州警察は治安統治下へおかれたプロヴィデンシアに、7つ目となる治安維持部隊(UPP)を配置すると発表。現在、治安維持部隊が常駐するリオ市内のファヴェーラは以下。

1,サンタ・マルタ(ボタフォゴ地区)
2,シダーヂ・ヂ・デウス
3,ジャルジン・バタン(ヘアレンゴ地区)
4,バビロニア/シャペウ・マンゲイラ(コパカバーナ/レーミ地区)
5,パヴァォン・パヴァォンジーニョ/カンタガロ(コパカバーナ/イパネマ地区)
6,タバジャラス/カブリートス(コパカバーナ地区)

モーホ・ダ・プロヴィデンシアはブラジルで最も古いファヴェーラとして知られる。もともとファヴェーラはノルデスチに多くみられる灌木の名前で、1896年にバイーア州奥地で起こった内乱(カヌードスの乱)が起源。カヌードスの乱鎮圧後にリオに帰還した雇われ兵は(多くは黒人)、報酬代わりに港湾地区の丘に住みつき、その丘はファヴェーラと呼ばれた。以降、貧しい人々が居住するスラムをファヴェーラと呼ぶようになった。

リオ市長エドゥアルド・パエスは港湾地区の再開発計画を推進しており、モーホ・ダ・プロヴィデンシアの治安回復は不可欠だったとコメント。港湾地区に点在するマウア広場(フェリー乗り場)、セントラル駅、シダーヂ・ド・サンバ等をケーブルカーで連結する計画を今後進めてゆく。