WaSabi-News #55

国連安保理常任理事国入りを目指すブラジル

74%がジルマ・ルセフ大統領を信頼

高速列車TAVの入札、再延期へ

マナウス「フリーゾーン」で不足する日本製部品

日本からの輸入食品に対する検査を強化

フルーツ繊維からできるスーパープラスチック

ブラジル現地法人「TOTOブラジル」設立へ

政府を悩ますレアル高とインフレ圧力

ブラジルで広がる原発反対デモ

オペレーション「暴走」で森林破壊の取り締まり

14年W杯、リオのマラカナン・スタジアムで最多の7試合

ジルマ・ルセフ大統領 ポルトガル
ポルトガルのコインブラ大学を訪問中のルセフ大統領(写真提供:大統領府)

★政治

国連安保理常任理事国入りを目指すブラジル

ジルマ・ルセフ大統領は3月29日にポルトガルを訪問し、ルラ前大統領がコインブラ大学から授与された博士号の祝賀セレモニーに参加。その後リスボンでポルトガル首脳陣と会談し、ブラジルの国連安保理常任理事国入りへの支援、巨額の負債を抱えるポルトガルへの経済支援などについて協議した。

ジルマ・ルセフ大統領は4月11〜16日に中国を公式訪問する予定で、同時期に開催されるBRIC首脳会議(ブラジル、ロシア、インド、中国)、そしてブラジルと中国の企業フォーラムに参加する。中国はブラジルの国連安保理常任理事国入りは時期尚早と表明済み。

 

74%がジルマ・ルセフ大統領を信頼

ブラジル世論調査・統計機関(ibope)は、4月1日、ルセフ政権が発足してから約3ヶ月たった時点で、ルセフ政権の評価に関する調査結果を発表した。ルセフ政権を、最高および良いとする人口は56%で、普通としたのは25%、5%が最悪と評価した(11%は回答なし)。また73%が個人的に大統領を良いと評価しており、74%がルセフ大統領に信頼をおいている。64%がルラ前政権と同じと評価しており、79%が前政権と同路線だとした。調査はブラジル全土の16歳以上の2002人を対象に行われた。

 

★経済

高速列車TAVの入札、再延期へ

リオ〜サンパウロをつなぐ高速列車TAVの入札が4月11日〆切り(29日落札発表)に予定されていたが、さらなる再延期となる見込み。入札参加予定企業連合5つ(日本、仏、カナダ、独、韓国)が陸運局ANTTに60日間の再延期を申請し、スペインの鉄道会社TALGOも再延期されるなら入札参加することを表明したことから、政府は新たな入札日の設定が迫られている。陸運局局長は90日間の延長で十分ではとコメント。

 

マナウスで不足する日本製部品

自由貿易地区(フリーゾーン)を持つアマゾナス州の州都マナウスには、ホンダ・ヤマハ・パナソニック・ソニー等30社をこえる日系企業が進出しているが、震災の影響で日本製部品の在庫が底をつきはじめている。企業側は、中国やアジア諸国に代替部品を探すほか、生産ラインの一時停止にともなう従業員の有給休暇も検討している。

 

日本からの輸入食品に対する検査を強化

ブラジルの農業省と衛生管理局は、4月から日本からの輸入食品および原材料に対する検査を強化することを発表。基準値をこえた放射性物質が含まれていないことを証明する検査結果を提示することが義務づけられる。またブラジル政府は、日本から飛行機で入国する乗客に対し、飲食物を持ち込まないよう呼びかける予定。

 

フルーツ繊維からできるスーパープラスチック

サンパウロ州立大学の研究チームが、パイナップルやバナナの繊維を利用したスーパープラスチックの開発に成功した。少量の繊維を混ぜることで、通常のプラスチックの4倍強度が高まり、さらに30%軽くなるスーパープラスチックは、自動車のダッシュボードやクッションとして2年後に実用化される予定。

 

ブラジル現地法人「TOTOブラジル」設立

住宅設備メーカーのTOTOはブラジル現地法人を設立し、今後成長の見込まれるブラジル市場に本格参入することを発表。企業地盤を確立している北中米、中国、アジアに続き、ブラジル・インドなどを今後の新規参入マーケットとして位置付け、3月22日~25日にサンパウロで開催される「Kitchen & Bath Expo 2011」に初出展する。

 

政府を悩ますレアル高とインフレ圧力

ドル資金の大量流入によって2008年8月以来のレアル高を記録し、ブラジル中銀は4度のドル買い介入を行ったがレアル高の流れは止まらず。今年に入ってすでに300億ドルを超える外貨流入残高を記録している。中銀の調べでは、昨年42%伸びた輸入業は今年も引き続き伸びる見込み。またインフレ圧力が高まっていることも大きな懸念となっており、政府目標の上限6,5%内に抑えることが難しくなっている。

ドル: 1,62レアル/レアル:51,97円(4月1日)

 

★社会

ブラジルで広がる原発反対デモ

ブラジルにおける原発建設計画反対デモが、3月27日、リオデジャネイロで行われた。デモ組織者によれば、ブラジル政府は原子力ではなく、風力、太陽エネルギーの分野での研究発展のための投資を拡大すべきだという。このデモはドイツ系学校の3人の高校生が中心になってネットを介して呼びかけていた。またアングラ原発周辺では、アングラ社会エコプロテスト(Sapê)が稼動停止を求めデモを行った他、ペルナンブコ州、ブラジリア、サンパウロ、レシフェ、サルバドールでもデモが行われた。ブラジルは現在リオデジャネイロ州のアングラ1,2の原発が稼動しており、2015年までにアングラ3の建設の他に4つの原発建設を計画している。

 

★環境

オペレーション「暴走」で森林破壊の取り締まり

環境保護局IBAMAは、森林破壊の主要因となっている不法牧畜を取り締まる一大オペレーションを3月末に開始。「暴走」と名付けられたオペレーションは、パラ、マトグロッソ、アマゾナスの3州で同時に進められ、森林を違法に伐採した場所で放牧されている牛はすべて没収され、社会開発省が進めるプログラム「FOME ZERO(餓えゼロ)」へ寄付される。

 

★W杯

14年W杯、リオのマラカナン・スタジアムで最多の7試合

FIFAの公式発表ではないものの、2014年W杯ブラジル大会の中心は、リオ〜サンパウロ間となることがフォーリャ・ヂ・サンパウロ紙に掲載された。リオのマラカナン・スタジアム(改装中)では決勝戦を含む7試合、サンパウロのイタケラ・スタジアム(建設予定)では開幕戦と準決勝を含む6試合が開催される予定。FIFAは両スタジアムの工期が大幅に遅れていると批判しており、2013年のコンフェデレーション杯に間に合わせるよう求めている。