WaSabi-News #48

ジルマ・ルセフ新大統領、就任1ヶ月の評価は?

2010年の失業率、8年間で最低の6,7%

最低賃金、510レアルから545レアルへ

政策金利Selic、11,25%へ引き上げ

レアアースの開発を進めるブラジル

アジアに輸出されるブラジル産食肉

リオの犯罪率が大幅に減少、過去20年間で最低

サンタ・テレーザ地区にUPPが設置予定

リオで41,4度、今夏の最高記録

アナ・ヂ・オランダ文化大臣、姉ミウーシャのコンサートに飛び入り

ホナウヂーニョ、フラメンゴの試合でデビュー

2月2日はイエマンジャの日


★政治
ジルマ・ルセフ新大統領、就任1ヶ月が経過
1月1日にブラジリアで行われた大統領就任式から1ヶ月が経過し、ルセフ新大統領の取り組み方(性格)がみえてきた。過去最高の国民支持率を得ながら退任したルラ前大統領の後継者として就任したルセフ大統領は、よく国民の前に登場し愛嬌と冗談をふりまき絶大なカリスマを発揮したルラと異なり、大統領府内で目立たない日々を送っている。「ジルマ・ルセフは自分がルラでないことを知っているし、ルラになろうともしていない」(側近の言葉)。ルラのカリスマの代わりに、ルセフ大統領はスピードと結果を求める厳しい上司役に徹している。最初の閣僚会議ではメンバーを4つのグループに分け、各々とのミーティングを密にし、多大な案件の進行状況を青、黄、赤で区別する。ルラはよく予定外の訪問者と会うことがあったが、ルセフはアポ以外は一切取り合わない。自分のルールに対しても厳しく、怠慢を嫌い、決断が早い。年明けにリオ州山岳地帯を集中豪雨が襲った際は、翌日には被災地を訪れ対応策を次々に指示した。この点も腰の重かった前大統領とは異なっている。

1月31日には初の海外としてアルゼンチンを訪問し、女性大統領クリスチーナ・キルシネルと会談、ふたりは原子力分野ほか15の二国間協定に合意・署名した。またブラジル大統領しては初めて5月広場の母・祖母たちと公式に面会し、お互いの立場を考慮しながらも軍事政権に苦しんだ者同士の熱い抱擁があった。

(写真:Planalto)
(写真:Planalto)

★経済

2010年の失業率、8年間で最低の6,7%
2010年の6大都市圏(サンパウロ、リオ、ベロ・オリゾンチ、ポルト・アレグレ、サルヴァドール、レシフェ)における失業率は6,7%となり、2009年の8,1%から大幅に減少した。ルラ前大統領が初当選した2003年当時の失業率は12,3%だった。

最低賃金、545レアルへの引き上げを検討中
ジルマ・ルセフ新大統領は1年ぶりとなる最低賃金(正規雇用による最低月給)の見直しを検討しており、2010年1月から現在まで設定されている510レアル(約25,500円)から545レアル(約27,250円)へ引き上げる予定。ルラ前大統領が初当選した2003年当時の最低賃金は、現在の半分以下の240レアルだった。


政策金利Selic、11,25%へ引き上げ

2010年のインフレ指数が5,9%と予想以上に上昇していることから、通貨政策委員会は政策金利(Selic)を10.75%から11.25%へと引き上げることを決定した。ブラジルの実質金利は世界最高水準で、そのため金利の安い海外からの資金が流入する要因となっている。海外資金の流入はレアル高とインフレを誘因するので政府は新たな金融措置を検討している。


レアアース市場へ参入するブラジル

ブラジルは今後90億ドル規模に成長するレアアース市場への参入を計画している。レアレースは17元素からなる希少鉱物で、iPodやノートパソコン、ミサイル等のハイテク機器に用いられる。現在は中国が世界の産出量の97%(12万トン)を占めており、2位はインド(2.700トン)、3位のブラジルの産出量(650トン)は1%にも満たないが、今後の需要からも政府は国内でのレアアース開発に力を入れている。エネルギー・鉱山省と科学技術省による合同調査が進められており、リオ州、ゴイアス州、アマゾナス州の3カ所で合計20トン規模の埋蔵量があると見られている。

 

アジアに進出するブラジル産食肉

輸出量では世界1位を占めるブラジルの鶏肉(生産量ではUSA、中国につぎ3位)。日本はブラジルから39万トンの鶏肉を輸入しており(2008年度、財務省調べ)、国別では54%を占める筆頭輸入国である。1月末にはマレーシアの視察団がブラジルの農業省と冷凍鶏肉連盟を訪問し、ブラジル産鶏肉の輸入に向けて調整している。また、農業省は日本の農林水産省に対し、牛肉の輸入を促進するための視察企業団を第1四半期に派遣して欲しいと提案している。

 

★社会

リオの犯罪率が大幅に減少、過去20年間で最低

リオ州治安局の発表によると、2010年度のリオ州内の凶悪殺人件数は4.768件で、調査が始まった1991年以降、最低の件数であることが分かった。前年比17,7%減で、20年間で5.000件を下回るのは初。また、人口10万人あたりの殺人発生率は29,8件で、政府目標の31件を下回った(過去に最も高かったのは殺人8.438件、発生率61,8件を記録した1995年)。

 

サンタ・テレーザ地区にUPP設置を宣言

セルジオ・カブラル州知事は1日、リオ市内サンタ・テレーザ地区にUPP(治安維持部隊)を設置するため、7日までに軍警察を投入し地域一帯を支配する麻薬密売組織を一掃すると宣言。サンタ・テレーザ地区には大小9つのファヴェーラがあり、約2万人の住民はCV(コマンド・ヴェルメーリョ)、ADA(友達の友達)、TCP(純第3軍団)の3組織の支配下で生活している。そのうちのひとつ、コルコバードの丘のふもとに位置する“喜びの丘”の住民によると、麻薬密売組織メンバーは各ファヴェーラから3日未明に次々と逃走、対岸のニテロイ市にバイクで逃げようとしたメンバー数名が検問で逮捕された。なかにはエスコーラ・ヂ・サンバ「エスタシオ」の本拠地サン・カルロスの丘のメンバーも含まれている。

 

 リオで41,4度を記録
リオ市内サンタ・クルス地区では1月28日に41,4度を記録し、今夏の最高気温となった。海岸部でも40度近く、週末のコパカバーナやイパネマのビーチはたくさんの人出でにぎわった。

 

★文化

アナ・ヂ・オランダ文化大臣、姉のライヴに飛び入り

 新政権で文化大臣に抜擢され、女性閣僚として注目されているアナ・ヂ・オランダは、ブラジルの国民的歌手シコ・ブアルキの実妹としても有名。自身も過去に2枚のソロアルバムをだし、ヴィニシウスやトム・ジョビン、トキーニョ等のCDにも参加。大臣就任後に文化省のサイトからクリエイティヴ・コモンズのロゴを削除したことが著作権リベラル派の非難の的となっているが、31日は姉ミウーシャのコンサートに飛び入りで参加。連日のミーティングでかすれ気味の歌声ながら、アナ・ヂ・オランダ名義の『人生の路傍』を披露した。

 

★サッカー

ホナウジーニョ、フラメンゴの試合に初出場

ヨーロッパ・サッカー界を一世風靡したホナウジーニョ・ガウーショが1月にリオの名門フラメンゴと契約、2日に初の国内試合にデビューした。目立った活躍はなかったものの(フラメンゴが1-0で勝利)、4万人のファンはホナウジーニョ・コールで盛り上がり、本人は「僕は愛されてるって分かって感動したよ」とコメント。1試合の報酬は、対戦したチームの年間経費を軽くオーバーすると言われている。サンバ好きのホナウジーニョは、3月のカーニバルで名門「ポルテーラ」のバテリア(打楽器隊)で出場することが決まっている。

 

★注目トピックス

2月2日はイエマンジャの日。イエマンジャはアフリカの土着宗教に起源を持ち、キリスト教などとミックスしたブラジルの民間信仰カンドンブレの神々のひとり。カンドンブレの神々は、自然現象や色、曜日、などが割り当てられており、イエマンジャは海、母性、守護のシンボル。土曜日の神で、トレードカラーは水色、白、銀色。ブラジル人に大人気の神様の一人です。

 

為替情報 (2月3日)
ドル: 1,66レアル
レアル:48,99円
Ibovespa (サンパウロ証券取引所平均株価指数):66.688ポイント