WaSabi-News #44

11月21日より、リオデジャネイロ市内では、治安当局と麻薬密売組織の対立が激化している。テレビでは軍の戦車がファヴェーラに進入する様子、炎上する車両、銃撃戦の模様が生中継で放映され続け、新聞には「戦争」の文字が飛び交っている。


報道によれば、車両炎上事件は2週間ほど前から頻発するようになったが、21日より多発。車両炎上は、混乱の中心部隊となっているリオデジャネイロ北部だけでなく、コパカバーナ、イパネマ、ボタフォゴ、ラランジェイロス、バッハ・ダ・チジューカ、またニテロイ市などでも発生している。

21日から26日夕方までに炎上した車両は99台。警察がファベーラ内で展開した作戦による死者は44人。その中には流れ弾に当たった住民、14歳の学生も含まれている。逮捕者192人。負傷者の数は新聞報道では「大勢」。正確な発表はない。負傷者の多くが運ばれているぺーニャ地区のジェトゥリオ・バルガス病院によれば、流れ弾に当たった住民も多く運び込まれている。

26日も車両炎上は続き、ファベーラ、ビラ・クルゼイロ、アレマンで警察と軍、合計800人、また戦車も投入しての鎮圧作戦が展開されている。その他のスラム街でも鎮圧作戦が行われ、リオデジャネイロ中が緊迫している。北部を中心に休校、焦点の閉鎖があいつぎ、ほとんどの職場が午後4時を目安に事務所を占めた。今週予定されていたビーチバレー大会は延期。名門カーニバルチームであるポルテイラとモシダージは週末の公開練習をキャンセル。現在アレマンを中心に、2つの犯罪組織員が終結しており、鎮圧作戦は週末も続く見通しだ。

リオのファベーラから犯罪組織を追い出す活動を続けているUPP(治安部隊)が設置されて以来、初めての大規模な組織的暴動で、両者引く気配はなし。UPPの設置により活動場所を制限された、リオ最大の2つの麻薬組織が同盟を結び抵抗している。北部ビセンチ・デ・カルバーリョ通りで炎上したバス付近では「UPPを継続するならW杯、五輪はない」と書かれたメモが発見されている。

UPP(治安部隊)の設置については、長年放置されてきた治安問題だけに住民を中心に歓迎の声が多いのが事実だ。特に、治安回復がなされる際の目だった混乱が少なく、平和的に犯罪組織から治安警察への権力移行が行われており、住民の警察に対する信頼回復の面も重要視されてきた。しかし今回の作戦では少なくない住民が巻き込まれており、警察の昔ながらの鎮圧作戦の方法には批判の声も上がっている。リオデジャネイロ北部ファベーラ住民協会連合は、住民からの告発を取りまとめており、また逮捕者に比べて、死者数の比率の多さを批判している。